カメルーン初優勝!Wafcon2026総括~拡大成功、新興勢力台頭、ナイジェリア沈没
アフリカ女子サッカー最高峰の戦い、Wafcon(女子アフリカネイションズカップ)2026がモロッコで幕を閉じた。決勝ではカメルーンがマラウイを3-0で粉砕し、ナイジェリア、赤道ギニア、南アフリカに次ぐ史上4カ国目の女王に輝いた。大会は3月に予定されていた開幕をわずか12日前に延期される波乱の幕開けだったが、3週間にわたるラバトとカサブランカでの熱戦は、アフリカ女子サッカーの確かな成長を印象づけるものとなった。
最大のトピックは、CAF(アフリカサッカー連盟)が急きょ採用した16チームへの拡大が大成功を収めたことだ。予選途中に発表された“場当たり感”は否めなかったが、この拡大がカメルーンに劇的な恩恵をもたらした。予選でアルジェリアに敗れたカメルーンだったが、世界ランクを基に本大会に滑り込み、そのまま頂点に。コートジボワールも同様にランキング枠で出場し、グループ首位突破後、準々決勝でアルジェリアに敗れるまで旋風を巻き起こした。4強のカメルーン、アルジェリア、マラウイ、モロッコは揃って2027年女子W杯出場権を獲得。マラウイとアルジェリアはW杯初舞台となる。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro 競争レベルの向上も顕著だった。前回2024年大会が番狂わせに乏しかったのに対し、今大会は格差を感じさせない好勝負が続出。タンザニアは世界ランク65差をひっくり返して南アフリカをグループステージで撃破し、前回王者の南アはコートジボワール戦で99分に同点ゴールでようやく勝ち点1を拾う窮地に立った。大会の“シンデレラストーリー”は初出場のマラウイだ。開幕戦で10度の優勝を誇るナイジェリアを3-2で破る大金星を挙げると、その勢いのままガーナ、アルジェリアを退けて決勝に進出。チャウィンガ姉妹の攻撃力が爆発し、世界ランク153位から大きくジャンプアップは確実だ。
一方、ナイジェリアの“超大国”の座に陰りが見えたのも今大会の明確な事実だ。最多11度の優勝を狙ったスーパーファルコンズは過去ワーストの成績に終わり、準々決勝でカメルーンに敗れた。さらにW杯プレーオフでも南アフリカに1-2で敗れ、女子W杯に初めて出場を逃す屈辱を味わった。海外でプレーするタレントに依存してきた構造が、国内の組織的基盤の弱さを露呈。モロッコの積極投資、カメルーンの賞金200万ドル活用、アルジェリアやガーナ、マラウイの躍進を前に、もはやアフリカの頂点は安泰ではない。元ストライカーのデザイア・オパラノジエは「すべてを評価し直す新たなスタートが必要」と訴え、ナイジェリアサッカー連盟は検証委員会を設置した。
決勝を制したカメルーンの指揮官は女性監督のバレンタイン・グエレ。今年6月に就任したばかりで、わずか2カ月の準備でチームを立て直し、前人未到の戴冠を成し遂げた。テクニカルコーディネーターのディミトリ・リポフは「チームは何もない状態だった。昼も夜も狂ったように働き、バブルを作り上げた。信じられないチームの努力だ」と称賛した。Wafcon史上5人目の女性優勝監督となり、先達のクレメンティーヌ・トゥーレ(赤道ギニア)、エウカリア・ウチェ&フローレンス・オマグベミ(ナイジェリア)、デジレー・エリス(南アフリカ)の系譜に名を連ねた。
課題も残った。モロッコ戦以外の試合は相変わらず閑散としたスタンドが目立ち、ビザ取得や移動コストの壁は依然として高い。VARの手順は遅く、カメルーン対マリ戦ではピッチサイドモニター確認に4分近くを要した。モロッコにはややラッキーなPKが与えられる場面もあったが、ホスト国のアトラス・ライオネスは13本中9本のPKを失敗。決勝と3位決定戦で4本中3本を外すなど、初優勝へ向けてPK精度の改善は急務だ。
今後の注目は、2028年大会の開催地と時期。モロッコが3大会連続で開催したが、続投の意思は不透明。ロサンゼルス五輪(2028年7月)との日程重複を避ける調整も必要で、CAFはFIFAカレンダー上の恒久的な枠組みを模索する。まずは10月から始まるLA五輪予選に32チームが参戦。そして南アフリカとガーナはW杯大陸間プレーオフに回る。アフリカ女子サッカーの勢力図は確実に変わり始めている。
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