ロリー・ロメロ、ベルトと笑いを収集する最強のジョーカー
「俺は史上最も軽んじられているチャンピオンだ」。そう語るのは、WBAウェルター級王者ローランド“ロリー”・ロメロ(17勝2敗13KO)。軽妙な語り口と飄々とした態度で、しばしば「主役というよりキャラクター」と見られがちな男が、8月22日にラスベガスのT-モバイル・アリーナで大勝負に臨む。
相手は元2階級制覇王者テオフィモ・ロペス(22勝2敗13KO)。Prime Video/DAZNのペイパービューで生中継されるこの一戦は、ロメロにとっては殿堂入りへの扉を開く試合だ。「俺は殿堂入りしたい。彼は3階級制覇を狙っている。お互いの夢が交差する、かなりハイステークスだろ?」とロメロは不敵に笑う。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro ロメロは2025年5月、ニューヨークのタイムズスクエアで当時WBC王者だったライアン・ガルシアをダウン寸前に追い込み、判定で撃破。しかしその後、ガルシア、マニー・パッキャオ、コンナー・ベン、デヴィン・ヘイニーらが対戦を避け、リングから遠ざかっていた。「時間をかけて自分の人生を整理したんだ」とロメロは説明する。
そんな中でも、リング誌のウェルター級ランキングでトップ10圏外に置かれている現状には納得がいかない。「No.1のヘイニーはNo.2のガルシアに3度倒された(2024年の無効試合)。そのガルシアに俺が勝ったんだ。計算が合わないだろ?ここ3年ほとんどリングに上がっていないスタニオニスが4位ってどういうことだ」と不満をぶちまける。
しかし、その“軽視”こそがロメロの武器だ。先月の記者会見で、ロペスが新たにDAZNと2000万ドルの契約を結び、真剣にトレーニングに取り組んでいるという報道に対し、ロメロはこう切り返す。「アイツは確かに本気だよ。でも俺はトレーニングすらしてない。ただひたすら休んでる。練習するのは体重を落とすためだけ。勝つためじゃない。スパーリングだって、人をぶん殴るのが好きだからやってるだけだ」。そして、ロペスの父兼トレーナーであるテオフィモ・ロペス・シニアの声真似まで披露。「『うちの息子はロマチェンコに勝ったんだ』ってね。カンボソスに負けた試合の息子は誰だったんだって話だよ」と皮肉たっぷりに語った。
ロメロは試合を制すれば、ヘイニーかガルシアとの統一戦が視野に入る。さらに「ラスベガスの顔」になることも。しかし本人は「そんな責任はまだ負いたくない」と笑い飛ばし、先のことは考えないと断言する。「俺が戦いたいと思った連中はみんな俺を避けてきた。壁に向かって怒鳴れってか?」。
そんなロメロだが、リングを離れれば母校の小学校で400個のバックパックを寄贈するなど、地域貢献も忘れない。「昔通った学校に戻ると、全てが同じに見えるけど、すごく小さく感じるんだ。子どもたちに影響を与えられるのは大きい。自分にとっても感慨深い旅だった」。
ロペスは1月31日のマディソン・スクエア・ガーデンでシャクール・スティーブンソンに大差の判定負けを喫しており、今回の試合には並々ならぬ決意で臨むと見られている。対するロメロは、持論の「顔面を殴る」戦法で、またしても格下扱いを覆すつもりだ。果たして、誰が最後に笑うのか。リング上の答えは、8月22日に明らかになる。
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