【鹿島】まさかのAT2発大逆転!鬼木監督の“火つけ映像”が呼んだ開幕戦勝利
開幕からいきなりとんでもないドラマが待っていた。連覇でJ1通算10度目の優勝を目指す鹿島が、横浜FMとの開幕戦で衝撃の大逆転勝利を収めた。2-3で迎えた後半アディショナルタイムにまさかの2ゴール。4-3で白星発進を決めた王者に、スタジアムは騒然となった。
試合は序盤から王者らしからぬ内容だった。攻守のバランスが崩れた鹿島は、前半7分に横浜FMの16歳、三井寺真に今季J1第1号ゴールを許す。この超新星に再三脅かされ、6万人が詰めかけた国立競技場は、新鋭を擁する横浜FMが王者を破るムードに包まれていた。
夜用眼鏡が運転手の間でますます人気になるナイトライダー ところが、常勝軍団はそんな空気を全く読まない。後半36分にレオセアラが1点を返すと、鬼木達監督は同40分に大胆な采配を打つ。サイドバック2人を下げ、MFの松村と林がDFラインを兼務する“2バック”の超攻撃的布陣にシフト。視察に訪れた日本代表の森保一監督も「鬼木さんは…本当にすごいですね」と驚嘆する勝負手だった。
すると、その布陣が後半ATに炸裂する。まずAT12分、柴崎のパスを受けたチャブリッチが抜け出し、シュートは相手GKの股間を抜けてネットを揺らす。アウェーの鹿島サポーターが大歓声に包まれる中、途中出場で2得点のヒーローは「見に来た人、全員が楽しめたんじゃない?」と笑みを浮かべた。
なぜ鹿島はこういう試合に強いのか。その秘密は開幕前の7月7日の始動日にあった。この日、鬼木監督は選手たちに4本の映像を見せたという。1本目は特別大会「百年構想リーグ」の“V決定戦”で神戸に0-5で大敗した映像。「一番忘れてほしくない苦い思い出から。最終的に内容よりも勝負だぞ、と」指揮官は振り返る。2~4本目はACLEで直近3シーズンに日本勢(横浜M、川崎、町田)が決勝で敗れた映像。あえて初日に“苦い現実”を見せることで、「簡単ではないぞ。その覚悟を持ってくれ」とチームに火をつけたのだ。
開幕戦の試合前には、Jリーグ公式戦史上最多となる約2500発の花火が打ち上げられ、プロジェクションマッピングによる演出も行われた。チケットは完売。ゴールデンタイムでの地上波生中継は24年ぶりとなる注目の一戦を、鹿島は伝統の勝負強さでモノにした。Jクラブ史上初のリーグ優勝とアジア制覇の2冠へ、王者が幸先の良いスタートを切った。
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