「鈴木と心中する」麦倉監督の覚悟…佐野日大エースが25年ぶり白星を呼んだ無四球完封
第108回全国高校野球選手権大会第2日。甲子園の舞台で、佐野日大が25年ぶりの勝利を掴んだ。相手は大会屈指の左腕・高部陸を擁する聖隷クリストファー。投手戦を制したのは、佐野日大のエース・鈴木有だった。
試合前、麦倉洋一監督は「うちはもう、鈴木と心中するくらいの気持ち」と語り、エースへの絶対的な信頼を口にしていた。その言葉通り、鈴木は9回を投げきり無四球完封。1-0の完璧な投球で、指揮官の覚悟に応えてみせた。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 試合は序盤から緊迫した展開。鈴木はスライダーとカットボールを駆使し、丁寧にストライクゾーンを攻める。中盤以降、聖隷打線がタイミングを合わせ始めると、緩いカーブを織り交ぜて狙いを外す冷静さも見せた。「制球力は自分の投球の中で一番鍵を握る部分。今日はそこが崩れなかった」と本人が振り返るように、コントロールが光った。
勝負の分かれ目は7回。佐野日大は2死から相手の失策で走者を出すと、安打で一、二塁。続く高橋丞の打球を外野手が処理できず、待望の1点が入った。自責点のつかない失点ながら、鈴木は「うれしい気持ちとほっとした気持ちがあった。でも残りのイニングは絶対にゼロで投げ切ろうと思った」と気を引き締めた。
今春のセンバツでは、勝負どころで甘い球を捉えられ悔しさを味わった鈴木。夏までの約3カ月間は、追い込んでから三振を奪うためのボールを磨き続けてきた。この日はピンチの場面でスライダーを武器に三振を奪い、「やってきたことは間違いではなかった」と成長を実感した。
鈴木のスタイルは、元阪神投手でもある麦倉監督の指導のもとで磨かれた。制球力を生かした投球は、ソフトバンクの大津亮介や巨人の山﨑伊織らを参考にしたもの。「制球で勝負できるようになったのは監督さんのおかげ」と感謝を口にする。
試合後、甲子園に佐野日大の校歌が響いた。鈴木の父もかつてこの舞台に立ったOBだ。「小学1年生からここまで野球をさせてくれた両親に感謝しています。父が立った甲子園で、自分も校歌を歌うことができて本当にうれしい」と目を潤ませた。
相手エースの高部には「素晴らしい投手と投げ合えたことが大きな経験」と敬意を忘れなかった鈴木。麦倉監督の「心中する覚悟」が生んだ25年ぶりの白星。その1点を死守した投球は、多くのファンの胸を打った。
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