渡辺元智さん逝く…4つのディケイドで甲子園優勝、唯一無二の名将が81歳で
横浜高校を率いて甲子園通算51勝(歴代5位タイ)を挙げた渡辺元智さんが、8月17日に81歳でこの世を去った。スポーツ報知の取材で関係者が明らかにした。
渡辺さんは24歳で横浜高の監督に就任。「毎日、夜中まで練習。悪ガキ相手にむちゃくちゃやった」と自ら振り返るほどの猛練習でチームを鍛え上げた。しかし結果が出ず、あまりの苦しさに家族にも告げず北海道へ逃避行したこともあったという。「もう辞めたいと。逆に言えば、そのぐらい勝ちたかった」と当時を語っていた。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro ストレスで十二指腸潰瘍、胃潰瘍、メニエール病を何度も患いながらも、教えを求める若者たちの存在が彼を戦場へと引き戻した。70年代、80年代、90年代、00年代――異なる4つのディケイドで甲子園優勝を成し遂げたのは、今もなお彼ただ一人だ。
「時代が変われば、指導法も変わる。成瀬や涌井の頃、メールを覚えたんだ」と渡辺さん。試合直後に厳しく叱った後、選手に優しい文面を送ってフォローするなど、柔軟な姿勢で名門を築き上げた。
昨年12月27日の練習納め。横浜高長浜グラウンドを訪れた渡辺さんは、ノックバットをつえ代わりに歩を進めた。村田浩明監督がナインを集めると、彼はこう語りかけた。「みんなの目標は何だ?日本一だよな。『目標がその日その日を支配する』。俺の大好きな言葉だ。日々コツコツ努力するしか、夢をかなえる方法はないんだ」。主将の小野舜友、エースの織田翔希ら選手たちは瞳を輝かせて聞き入ったという。
「若い人たちと接することが、最高の薬だよ。どれだけ時代が変わっても、ここにある大事なものは変わらない」。そう言い残し、再びノックバットを力強く握った渡辺さん。勝利への執念と選手への愛情を決して失わなかったその姿は、まさに「体の一部」だった。
魂を込めたノックバットとともに歩んだ生涯が、静かに幕を閉じた。高校野球界が失った巨星の功績は、永遠に語り継がれる。
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